差分と漸化式の公式集|数列の問題を解く鍵
漸化式とは、数列のある項を、その前の項を使った式で定義したものです。an+1 = an + 3 のように、隣り合う項の関係(差分)がわかれば、そこから数列全体の一般項を求めることができます。ここでは基本の等差・等比数列から、特性方程式を使う応用的な漸化式までを整理します。
差分(階差)の考え方
数列 {an} に対して、隣り合う項の差 bn = a(n+1) - an を階差数列といいます。階差数列がわかれば、もとの数列の一般項は次の式で求められます(n≥2のとき)。
an = a1 + Σ(k=1からn-1まで) bk
つまり、a1に階差を1項目からn-1項目まで足し合わせたものが、anになります。
等差数列
定義
隣り合う項の差が常に一定(公差d)である数列です。
a(n+1) = an + d
一般項
an = a1 + (n-1)d
和の公式
初項a1から第n項までの和Snは
Sn = n(a1 + an) / 2 = n{2a1 + (n-1)d} / 2
等比数列
定義
隣り合う項の比が常に一定(公比r)である数列です。
a(n+1) = r × an
一般項
an = a1 × r^(n-1)
和の公式
r ≠ 1 のとき
Sn = a1(1 - r^n) / (1 - r) = a1(r^n - 1) / (r - 1)
r = 1 のときは Sn = n × a1 になります(すべての項がa1で等しいため)。
特性方程式を使う漸化式(a(n+1) = pan + q型)
等差でも等比でもない、a(n+1) = pan + q(p≠1、qは0でない定数)という形の漸化式は、次の手順で解きます。
手順1:特性方程式を解く
x = px + q という方程式(anとa(n+1)を同じ文字xに置き換えたもの)を解いて、α を求めます。
α = q / (1-p)
手順2:等比数列の形に変形する
もとの漸化式から特性方程式(α = pα + q)を辺々引くと
a(n+1) - α = p(an - α)
という式が得られます。これは「bn = an - α」とおくと、b(n+1) = p・bn、つまり数列{bn}が公比pの等比数列であることを意味します。
手順3:一般項を求める
{bn}は初項 b1 = a1 - α、公比pの等比数列なので
bn = (a1 - α) × p^(n-1)
bn = an - α だったので、anについて解くと
an = α + (a1 - α) × p^(n-1)
具体例
a1 = 1、a(n+1) = 3an + 4 という漸化式を解きます。
特性方程式:x = 3x + 4 を解くと x = -2(α = -2)
a(n+1) - (-2) = 3(an - (-2))、つまり a(n+1)+2 = 3(an+2)
{an+2}は初項 a1+2 = 3、公比3の等比数列なので、an+2 = 3×3^(n-1) = 3^n
よって an = 3^n - 2
連立漸化式・その他の型
分数型漸化式
a(n+1) = (an) / (pan + q) のような分数の形をした漸化式は、両辺の逆数をとって bn = 1/an と置き換えることで、bnについての等差数列の漸化式に帰着できる場合があります。
隣接3項間の漸化式
a(n+2) = pa(n+1) + qan の形は、x^2 = px + q という2次の特性方程式を解き、その解を使って等比数列の関係式を2通り作ることで一般項を求めます。
まとめ
漸化式の問題は、まず「等差型」「等比型」「a(n+1)=pan+q型」のどれに当てはまるかを見分けることが第一歩です。等差・等比のどちらでもない場合は、特性方程式を解いてan-αが等比数列になるように変形するのが定石です。この変形パターンを覚えておけば、隣接3項間の漸化式など、より複雑な形にも同じ考え方で対応できます。