確率の公式集|加法定理から条件付き確率まで
確率は「起こりうる場合の数」を数える場合の数の考え方の上に成り立っています。ここでは基本の確率の定義から、加法定理、条件付き確率、ベイズの定理までを整理します。
確率の基本
定義
すべての根元事象が同様に確からしいとき、事象Aの確率P(A)は次の式で求められます。
P(A) = (事象Aが起こる場合の数) / (起こりうるすべての場合の数)
確率は必ず 0 ≤ P(A) ≤ 1 の範囲の値を取ります。
余事象
事象Aが起こらない事象を余事象といい、A(バー)またはA^cと書きます。
P(A^c) = 1 - P(A)
「少なくとも1つ」を求める問題では、余事象(1つも起こらない場合)を先に求めるほうが計算が簡単になることが多くあります。
加法定理
一般の加法定理
P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A∩B)
AとBのどちらか一方(または両方)が起こる確率は、それぞれの確率を足してから、重複している部分P(A∩B)を1回分引いて求めます。
排反事象の場合
AとBが同時に起こらない(排反である)とき、P(A∩B) = 0 なので
P(A∪B) = P(A) + P(B)
独立試行と乗法定理
独立な事象
事象Aが起こることが事象Bの起こる確率に影響を与えないとき、AとBは独立であるといい、次の式が成り立ちます。
P(A∩B) = P(A) × P(B)
反復試行の確率
1回の試行で事象Aが起こる確率がpのとき、この試行をn回繰り返してAがちょうどk回起こる確率は
P(X=k) = nCk × p^k × (1-p)^(n-k)
コインを何回も投げる、サイコロを何回も振るといった同じ条件の試行を繰り返す問題で使われます(二項分布)。
条件付き確率
定義
事象Aが起こったという条件のもとで、事象Bが起こる確率を条件付き確率といい、P(B|A)と書きます。
P(B|A) = P(A∩B) / P(A)(P(A) > 0)
乗法定理
条件付き確率の式を変形すると、乗法定理が得られます。
P(A∩B) = P(A) × P(B|A)
「まずAが起こり、続けてAが起きた条件のもとでBが起こる」という2段階の確率をかけ合わせる形で、くじ引きやカードを続けて引くような問題でよく使われます。
ベイズの定理
結果から原因を確率的に推測するときに使う定理です。
P(A|B) = P(B|A) × P(A) / P(B)
事象B(結果)が観測されたときに、その原因が事象A(原因)である確率を、A→Bの向きの条件付き確率P(B|A)から逆算する式です。
原因が複数(A1, A2, …, An、互いに排反ですべての場合を尽くす)ある場合は、分母のP(B)を次のように展開して計算します。
P(B) = P(B|A1)P(A1) + P(B|A2)P(A2) + … + P(B|An)P(An)
たとえば「検査結果が陽性のとき、実際に病気である確率」を求める問題(病気の有病率と検査の精度から逆算する)は、ベイズの定理の代表的な応用例です。
期待値
確率変数Xが値x1, x2, …, xnをそれぞれ確率p1, p2, …, pnで取るとき、Xの期待値E(X)は
E(X) = x1p1 + x2p2 + … + xnpn
くじ引きの賞金の平均的な見込み額を求める、といった問題で使われます。
まとめ
確率の公式は、「場合の数の比」という定義から出発し、複数の事象を組み合わせる加法定理・乗法定理、そして一方の情報から他方を推測する条件付き確率・ベイズの定理へと発展していきます。どの公式も、まず問題文の中で「何と何の確率を求めたいのか」「事象は独立か、排反か」を整理することが正しい公式選択の第一歩になります。