ベクトルの公式集|内積・外積・成分表示と位置ベクトルまとめ
ベクトルは大きさと向きを持つ量で、高校数学Cでは平面・空間図形の問題を代数的に処理する強力な道具として使われます。ここでは成分表示から内積、位置ベクトル、外積までの公式を整理します。
成分表示とベクトルの演算
平面ベクトル a = (a1, a2)、b = (b1, b2) について、以下の演算が成り立ちます。
- 和:a + b = (a1+b1, a2+b2)
- 差:a - b = (a1-b1, a2-b2)
- 実数倍:ka = (ka1, ka2)
- 大きさ:|a| = √(a1^2 + a2^2)
空間ベクトル a = (a1, a2, a3) の場合、大きさは |a| = √(a1^2 + a2^2 + a3^2) となります。
内積
定義
a·b = |a||b| cos θ(θはaとbのなす角)
成分による計算
平面ベクトルの場合:a·b = a1b1 + a2b2
空間ベクトルの場合:a·b = a1b1 + a2b2 + a3b3
なす角の求め方
cos θ = (a·b) / (|a||b|)
内積と大きさが分かれば、2つのベクトルのなす角を求めることができます。
垂直条件
a·b = 0 ⟺ a ⊥ b(a、bがどちらも零ベクトルでないとき)
内積が0になることは、2つのベクトルが垂直であることと同値です。図形の垂直条件を扱う問題で頻繁に使われます。
位置ベクトルと内分点・外分点
点Aの位置ベクトルをa、点Bの位置ベクトルをbとするとき、以下の公式が成り立ちます。
内分点
線分ABをm:nに内分する点Pの位置ベクトルは、p = (na + mb) / (m+n)
分子でAの係数がn、Bの係数がmになる点(比の逆側の数をかける)に注意が必要です。
中点
線分ABの中点Mの位置ベクトルは、m = (a+b) / 2(内分点公式でm=n=1とした特別な場合)
外分点
線分ABをm:nに外分する点Qの位置ベクトルは、q = (-na + mb) / (m-n)
三角形の重心
三角形ABCの重心Gの位置ベクトルは、g = (a+b+c) / 3
ベクトル方程式
直線のベクトル方程式
点Aを通り、方向ベクトルdを持つ直線上の点Pは、p = a + td(tは実数の媒介変数)と表せます。
2点A、Bを通る直線上の点Pは、p = (1-t)a + tb とも表せます(t=0でP=A、t=1でP=Bとなる)。
円のベクトル方程式
中心Cの位置ベクトルをc、半径をrとする円上の点Pは、|p - c| = r を満たします。
外積(発展:大学範囲の内容)
外積(ベクトル積)は日本の高校数学の正式な範囲には含まれませんが、空間図形の面積・体積を求める際に補助的に使われることがあるため、参考として紹介します。
空間ベクトル a = (a1, a2, a3)、b = (b1, b2, b3) の外積は次のように定義されるベクトルです。
a×b = (a2b3 - a3b2, a3b1 - a1b3, a1b2 - a2b1)
外積の大きさ |a×b| は、aとbが作る平行四辺形の面積に等しくなります(|a×b| = |a||b| sin θ)。この性質を使うと、三角形の面積は (1/2)|a×b| で求められます。外積の向きは、aからbへ右ねじを回したときにねじが進む向き(右手系)になります。
まとめ
ベクトルの公式は、成分表示・内積・位置ベクトルの3つが基本の柱です。内積は「a·b = 0なら垂直」という性質を使う問題が頻出で、位置ベクトルは内分点公式の係数がどちら側につくかを正確に覚えることがポイントです。外積は高校の正式な範囲外ですが、空間図形の面積計算を素早く行いたいときに知っておくと役立ちます。