スパイス入門ガイド|基本スパイスの使い方
スパイスは植物の種子・樹皮・根などを乾燥させた香辛料で、料理に辛み・香り・色を加える役割を持ちます。ハーブが主に葉や茎を使うのに対し、スパイスは種子や根などの部位を使う点が異なります。
代表的なスパイスと使い方
コショウ
世界で最も使われるスパイスのひとつで、ピリッとした辛みと香りが特徴です。黒コショウは未熟な実を皮ごと乾燥させたもので香りが強く、白コショウは熟した実の皮を取り除いたもので辛みがまろやかです。肉・魚料理全般の下味や仕上げに幅広く使われます。挽きたては香りが格段に強いため、粒のまま購入してミルで挽くのがおすすめです。
クミン
エスニックな独特の香りを持つスパイスで、カレーの香りの核となる存在です。種のまま油で軽く炒める(テンパリング)ことで香りが引き立ちます。カレー、チリコンカン、タコスなどのメキシコ・中東・インド料理に多用されます。
ターメリック(うこん)
鮮やかな黄色が特徴のスパイスで、カレー粉の色の主成分です。土っぽいほのかな苦みがあり、色づけと風味づけの両方の役割を果たします。カレーのほか、ターメリックライス、たくあんの色づけにも使われます。油に溶けやすい性質(脂溶性)があるため、油で軽く炒めてから使うと風味と色が引き立ちます。
パプリカパウダー
赤ピーマンを乾燥させて挽いたスパイスで、辛みはほとんどなく、鮮やかな赤色と甘みのある香りが特徴です。料理の彩りづけや、グヤーシュなどのハンガリー料理、鶏肉の下味に使われます。辛み種を使った「辛口パプリカ」もあります。
シナモン(肉桂)
甘く華やかな香りが特徴のスパイスで、樹皮を乾燥させたものです。菓子・デザートに使われるイメージが強いですが、中東・エスニック料理では肉の煮込みやスパイスミックスにも使われます。
唐辛子
強い辛みが特徴のスパイスで、生・乾燥・粉末とさまざまな形で使われます。辛み成分のカプサイシンは種と内側の白いわた部分に多く含まれるため、辛さを抑えたい場合は種とわたを取り除きます。
スパイスの香りを引き出すコツ
テンパリング(油で香りを引き出す)
クミンやマスタードシードなど粒状のスパイスは、油を熱してから加え、パチパチと弾けて香りが立つまで加熱すると、香りが油に移り料理全体に広がります。焦げやすいため、弱火〜中火でこまめに様子を見ながら行います。
加えるタイミング
香りを強く出したいスパイス(クミン、ターメリック等)は調理の初めに油で香りを引き出し、色や辛みを保ちたいスパイス(パプリカパウダー等)は焦げやすいため火を弱めてから加えるか仕上げに振りかけます。粗挽きコショウなど香りを楽しみたいものは、仕上げに挽きたてを振るのが効果的です。
ホールスパイスとパウダースパイスの違い
ホール(粒・種のまま)のスパイスは、香りの劣化が遅く長期保存に向いており、油で加熱することでじっくり香りを引き出せます。パウダー(粉末)のスパイスは、香りがすぐに立つ反面、酸化して香りが飛ぶのも早いため、少量ずつ使い切るのがおすすめです。カレーなど本格的な香りを目指す料理では、ホールスパイスをテンパリングしてから、途中でパウダースパイスを加えるという組み合わせもよく使われます。
保存方法
スパイスは光・熱・湿気で劣化しやすいため、密閉容器に入れて直射日光の当たらない冷暗所で保存します。粉末のものは特に香りが飛びやすいため、大量に買い置きせず、使い切れる量をこまめに購入するのがコツです。
まとめ
スパイスは種子や根を由来とする香辛料で、辛み(コショウ、唐辛子)、香りの核(クミン)、色づけ(ターメリック、パプリカパウダー)というように、それぞれ得意な役割が異なります。油でテンパリングして香りを引き出す、加えるタイミングを使い分けるといった工夫で、家庭料理でも本格的な香りを引き出すことができます。