かるた形式で百人一首を覚える方法―試合ルールを使った暗記法
かるたで百人一首を覚える最大の利点は、目と耳だけでなく体の動きも使って歌を記憶できる点にあります。この記事では、競技かるたの実際のルールを踏まえながら、かるた形式ならではの覚え方を紹介します。
競技かるたの基本ルールを知る
試合の始まり方
競技かるたの試合は、100枚の取り札のうち無作為に選ばれた50枚を、両選手が25枚ずつ受け取るところから始まります。選手は自陣・敵陣それぞれの畳の上に、上段・中段・下段の3段に分けて札を並べます。
序歌と暗記時間
試合開始前には15分間の暗記時間があり、選手は自陣と敵陣あわせて50枚の位置を覚えます。最後の2分間は実際に手を伸ばす「素振り」が認められています。暗記時間の後、試合開始の合図として読まれるのが「序歌」です。これは百人一首の100首には含まれていない歌で、一般的に王仁作とされる「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」が使われます。序歌は上の句・下の句が通しで読まれたあと、下の句だけがもう一度繰り返され、そこから実際の100首の上の句がランダムに読み上げられていきます。
かるた形式ならではの覚え方
一字決まりから札の位置感覚を作る
かるたでは、上の句の最初の数文字を聞いた瞬間に手を伸ばす必要があります。まずは「むすめふさほせ」と頭文字で覚えられる一字決まりの7首(87番「むらさめの」、18番「すみのえの」、57番「めぐりあひて」、22番「ふくからに」、70番「さびしさに」、81番「ほととぎす」、77番「せをはやみ」)から練習すると、決まり字を聞いてすぐ取る感覚がつかみやすくなります。
大山札は位置を離して覚える
「あさぼらけ」で始まる31番と64番、「きみがため」で始まる15番と50番、「わたのはら」で始まる11番と76番のように、上の句の6文字目まで同じ音が続く「大山札」は、実戦では聞き分けにくく、取り札を並べる際に近くに置くと払い間違いも起きやすくなります。練習の段階から、こうした似た歌をあえてペアで読み上げて、聞き分ける耳を鍛えておきましょう。
決まり字を声に出しながら手を伸ばす練習
実際の対戦形式でなくても、上の句を1人が読み、決まり字が分かった時点で該当の下の句を声に出して答える「空札練習」で反応速度を鍛えられます。79番、左京大夫顕輔の「秋風にたなびく雲の絶え間より」のように、決まり字が3〜4文字ある歌は、焦って早取りすると別の歌と取り違えやすいため、最後まで聞く癖もあわせて練習しておくと安心です。
一人でもできるかるた式トレーニング
下の句カードを自作して並べる
100首すべてでなくても、覚えたい範囲の下の句だけを紙に書き出し、実際のかるたのように畳や机に並べてみましょう。上の句を読み上げ(または音声アプリで再生し)、対応する下の句のカードを取る練習をすると、実戦と同じ感覚で記憶を確認できます。
家族や友人と読み手・取り手を交代する
読み手・取り手を交代しながら練習すると、自分では気づかなかった決まり字の聞き間違いに気づけます。序歌から始めて試合形式を再現すると、より実戦に近い緊張感の中で覚えた歌を確認できます。
まとめ
かるた形式での暗記は、序歌に始まる試合の流れや、一字決まり・大山札といった決まり字の特徴を実際のルールに沿って体で覚えられる点が最大の強みです。「むすめふさほせ」の7首を起点に、大山札のような紛らわしい歌はペアで聞き分ける練習を重ね、実戦感覚を伴った記憶として定着させていきましょう。