オンラインかるたの始め方ガイド―暗記アプリと素読み会の活用
競技かるたの上達に欠かせない「決まり字の暗記」と「音を聞き分ける耳」は、実は畳の上でなくても鍛えることができます。この記事では、スマートフォンやパソコンを使ったオンラインでの練習方法を、具体的に紹介します。
決まり字暗記アプリで隙間時間を活用する
「札落とし」のような練習アプリ
競技かるたの練習者向けに、決まり字の認識スピードを鍛えるスマートフォンアプリが提供されています。代表的なものの一つが「札落とし(札流し)」というアプリで、ランダムに表示される札に対して決まり字を声に出して答え、スワイプで次の札に進むという、従来「札流し」と呼ばれてきた伝統的な練習法をデジタル化したものです。表示する札を上下逆さまや先頭の音ごとに限定できる機能、時間がかかった札だけを集中的に出題する「苦手札」機能、練習履歴を記録する機能、練習量に応じたランク表示機能などが用意されており、通勤・通学の電車の中のようなちょっとした空き時間でも決まり字の反復練習ができます。
アプリ練習の限界も理解しておく
こうしたアプリは決まり字を「頭で」覚えるには非常に効率的ですが、実際の対局で必要な「払い手のスピード」「体の使い方」「相手との間合い」は、実際に札に触れる練習でしか身につきません。オンライン練習はあくまで暗記の補助と位置づけ、畳での実戦練習と組み合わせることが大切です。
オンラインでの読み上げ・素読み練習
画面越しの素読み会
自宅に一人でいても、読み手役をお願いできる相手がいなくても、ビデオ通話アプリを使って離れた場所にいる仲間と「素読み会」を行うことができます。一人が読み手となって上の句を読み上げ、参加者は画面越しに手元の札を並べて取る、という形式です。コロナ禍以降、こうしたオンライン練習会を継続している地域のかるた会も少なくありません。
動画で読み上げの間合いに慣れる
インターネット上には、百人一首の読み上げ音声や動画も多く公開されています。実際の大会と同じような抑揚・間合いで読まれる音源を繰り返し聞くことで、本番特有の「読みのリズム」に耳を慣らしておくことができます。
オンライン対戦の注意点
通信のタイムラグを理解しておく
画面越しの対戦や練習では、音声や映像にわずかな遅延が生じることがあります。競技かるたは決まり字を聞いた瞬間の反応速度がそのまま勝敗に直結するため、オンライン対戦の結果は目安として捉え、実際の実力判定は対面での対局を基準にするのが望ましいです。
環境を整えてから始める
オンライン練習であっても、札を並べるスペース、静かな環境、安定した通信環境を事前に整えておくことで、練習の質が大きく変わります。特に読み上げの音声が聞き取りにくい環境では、決まり字の練習効果が下がってしまいます。
オンラインとオフラインの使い分け
決まり字の暗記や隙間時間の反復練習はオンラインで、払い手のスピードや実戦の駆け引きはオフラインの畳の上で、というように役割を分けて取り組むのが効率的です。特に競技かるたを始めたばかりの時期は、オンラインアプリで100首の決まり字を頭に入れながら、週に一度でも実際にかるた会や練習会に参加して体の動きを覚えていくと、無理なく両方の力が身についていきます。
まとめ
オンラインでの練習は、決まり字暗記アプリでの反復練習、画面越しの素読み会、読み上げ音源での耳慣らしという形で、競技かるたの土台づくりに役立ちます。ただし払い手の動きや対局の間合いは対面でしか身につかないため、オンライン練習を暗記の効率化に、実際の畳での練習を実戦力の習得に、それぞれ役割分担させて取り組むのが上達への近道です。