音と振動の実験|糸電話と食塩で音の正体を確かめる自由研究
普段何気なく聞いている「音」は、実は目には見えない「振動」です。この記事では、糸電話・膜の上で跳ねる食塩・輪ゴムの3つの実験を通じて、音が振動であることを目で見て確かめ、音の高さと振動の関係を調べる自由研究の進め方を紹介します。
音の正体は振動である
音は、音源(音を出しているもの)が振動し、その振動が空気を次々と押したり引いたりすることで伝わっていく現象です。空気の濃い部分(密)と薄い部分(疎)が交互に連なって耳まで届くことから、音の波は「疎密波」と呼ばれます。
音には主に2つの性質があります。
- 音の大きさ:振動の幅(振幅)が大きいほど、音は大きくなります
- 音の高さ:1秒間に振動する回数(振動数・周波数)が多いほど、音は高くなります。振動数の単位はヘルツ(Hz)で表され、1秒間に100回振動すれば100Hzです
人間が聞き取れる音の範囲(可聴域)は、およそ20Hz~20,000Hzとされています。これより低い振動数の音(超低周波音)や高い振動数の音(超音波)は、振動はしていても人の耳では聞き取ることができません。
実験1:糸電話で音の伝わり方を調べる
用意するもの
- 紙コップ:2個
- たこ糸(凧糸):5m程度
- つまようじや千枚通し(穴を開ける道具)
- セロハンテープ
手順
- 紙コップの底の中央に、つまようじや千枚通しで小さな穴を開けます
- たこ糸の一方の端を紙コップの穴に外側から通し、コップの内側でつまようじや割り箸に結び付けて抜けないようにします(テープで固定してもよい)
- もう一方の紙コップにも同じように糸のもう一端を通して固定します
- 2人で紙コップを持ち、糸がたるまずピンと張るくらいの距離まで離れます
- 片方が紙コップに向かって話し、もう片方が紙コップを耳に当てて聞き取ります
確かめること
糸をピンと張った状態と、あえてゆるめた状態とで、声の伝わり方がどう変わるかを比較しましょう。糸をピンと張ると声がよく伝わり、たるませると伝わりにくくなることが確認できます。これは、声を出したときのコップの底の振動が、ピンと張った糸を伝わって(固体を振動が伝わって)反対側のコップの底を振動させ、それが空気の振動に変わって耳に届いているためです。糸がたるんでいると振動がうまく伝わりません。
実験2:膜の上で振動を目に見えるようにする
用意するもの
- ボウルまたは空き缶
- ラップ
- 輪ゴム
- 食塩(または小さくちぎった紙、発泡スチロールの粒)
- スピーカーやラジカセ(音を鳴らせるもの)
手順
- ボウルや空き缶の口にラップをぴんと張り、輪ゴムでしっかり固定して太鼓の膜のような状態を作ります
- ラップの上に食塩を薄くまんべんなくまきます
- スピーカーをラップの膜のすぐ近くに置き、音楽や音を鳴らします
- 食塩が膜の振動によって跳ねる様子を観察します
確かめること
低い音(ベースの効いた音や太い声)と高い音(甲高い音)とで、食塩の跳ね方にどのような違いがあるかを比較しましょう。音を大きくしたときと小さくしたときで跳ねる高さがどう変わるかも観察してみると、振動数(音の高さ)と振幅(音の大きさ)のそれぞれが振動の様子にどう影響するかが分かります。
実験3:輪ゴムで音の高さを変える
用意するもの
- 空き箱やティッシュ箱
- 輪ゴム:太さや長さの違うものを数本
手順
- 空き箱に輪ゴムを1本かけ、指ではじいて音を出します
- 輪ゴムの張り具合(強さ)を変えて、はじいたときの音の高さを比較します
- 輪ゴムの長さを変えて(箱に鉛筆などを挟んで振動する部分の長さを変えるなど)、音の高さの変化を比較します
- 太さの違う輪ゴムでも同じように比較します
確かめること
輪ゴムをきつく張るほど、また振動する部分の長さが短いほど、音は高くなります。これは、張りが強く長さが短いほど輪ゴムが1秒間に振動する回数(振動数)が増えるためです。ギターやバイオリンなど弦楽器の弦も同じ原理で音の高さが決まっています。
観察記録のつけ方
3つの実験それぞれについて、次の項目を記録しましょう。
- 実験の条件(糸の張り具合、音の高低、輪ゴムの強さや長さなど)
- 観察された結果(食塩の跳ね方、音の伝わり方、音の高さの変化)
- 気づいたことや疑問に思ったこと
食塩が跳ねる様子は動画で撮影しておくと、静止画だけでは伝わりにくい振動の激しさを記録できます。
レポートのまとめ方
1. 研究の動機と目的
「音がどうやって伝わるのか目で確かめたかった」「音の高さと振動にはどんな関係があるのか知りたかった」など、研究を始めた理由を書きます。
2. 予想
「糸をゆるめると音が伝わりにくくなると思う」「輪ゴムを強く張るほど高い音が出ると予想する」など、実験前の予想を書きましょう。
3. 材料と手順
使った材料と、それぞれの実験の手順を番号つきで記述し、写真を添えます。
4. 結果
食塩が跳ねる様子の写真や動画のスクリーンショット、音の高さと輪ゴムの張り具合の関係を表にまとめると分かりやすくなります。
5. 考察
音が振動数(Hz)で高さが決まり、振幅で大きさが決まるという仕組みをもとに、3つの実験の結果を考察します。「輪ゴムを強く張ると振動数が増えるため、音が高くなったと考えられる」のように、原理と結果を結びつけて書くとよいでしょう。
6. 感想とまとめ
音が空気や糸、輪ゴムの振動によって伝わることを実験を通じて確かめた感想をまとめます。
まとめ
音と振動の実験では、糸電話・膜の上の食塩・輪ゴムという3つの身近な材料を使って、目に見えない音の正体が振動であることを確かめられます。音の高さは振動数(Hz)、音の大きさは振幅で決まり、人が聞き取れる範囲はおよそ20Hz~20,000Hzです。それぞれの実験で条件を変えながら比較し、振動と音の関係を自分の目で確かめてまとめましょう。