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潜望鏡の作り方|鏡2枚で景色が反転しない仕組みを学ぶ工作

潜望鏡 工作 自由研究
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塀の向こうや人混みの先を、体を隠したまま見ることができる潜望鏡。仕組みはとてもシンプルで、鏡2枚を筒の中に向かい合わせに取り付けるだけです。それなのに、なぜ景色が左右反転せずに正しく見えるのでしょうか。この記事では、潜望鏡の作り方と、光の反射の仕組みを使った観察・実験の方法を紹介します。

潜望鏡の仕組み

光はまっすぐに進む性質(光の直進性)を持ち、鏡に当たると「入射角と反射角は等しい」という反射の法則にしたがって跳ね返ります。潜望鏡はこの反射を2回利用して、光の進む向きを変える装置です。

筒の上部と下部に、それぞれ鏡を筒の長い方向に対して45度傾けて取り付けます。上の鏡は、外の景色から水平に届いた光を受け止め、反射させて筒の中を真下に進む光に変えます。下の鏡は、その垂直に落ちてきた光を受け止め、再び反射させて水平方向、つまりのぞいている人の目に届く向きに変えます。2枚の鏡がどちらも45度なので、光は合計90度の方向転換を2回行い、結果として最初と同じ水平方向に戻ってきます。上下の鏡が平行に向かい合っているため、視点の高さだけが筒の長さぶん上にずれ、見える景色そのものは正面から見たときと同じになります。

ここで気になるのが、「鏡を使っているのに、なぜ景色が左右反転して見えないのか」という点です。1枚の鏡だけを見たとき反転して見えるのは、実は左右ではなく奥行き方向(鏡に近づく・遠ざかる方向)です。潜望鏡の2枚の鏡は、どちらも筒の「上下・奥行き」方向だけを反射する向きに傾けられていて、「左右」方向にはまったく反射がかかりません。さらに反射が2回行われることで、1回目の反射で起きた奥行きの反転が2回目の反射で打ち消され、最終的に目に届く像は上下・左右・奥行きのすべてが直接見たときと同じ向きになります。これが、潜望鏡の景色が鏡映しにならない理由です。

用意する材料と道具

材料一覧

  • 牛乳パック(1000ml、洗って乾かしたもの):2本(つなげて1本の長い筒にする)
  • ミラーシート(鏡面のプラスチックシート、工作用)または割れにくい小型ミラー:2枚、1辺4cm~5cm程度の正方形に切れるサイズ
  • ガムテープまたは布テープ:筒の補強とつなぎ目の固定用
  • セロハンテープ:鏡の固定用
  • 黒い画用紙:内部の光の乱反射を抑えたい場合(任意)

ミラーシートは100円ショップの工作コーナーで手に入ります。ガラス製の鏡は割れると危険なので、この工作にはプラスチック製のミラーシートを使うことを強くおすすめします。

道具一覧

  • カッターナイフ
  • はさみ
  • 定規
  • 分度器(45度の線を正確に引くため)
  • 鉛筆
  • 記録用のノートとカメラ

潜望鏡の作り方

手順1:筒を作る

牛乳パックの注ぎ口と底面をカッターで切り落とし、四角い筒の形にします。2本とも同じように処理し、切り口が合うように重ねてガムテープでつなぎ合わせ、長さ約35cmの1本の筒にします。切り口の紙がめくれている場合はテープでしっかり押さえておきましょう。

手順2:上部の窓と鏡を取り付ける

筒の上端から3cmほどの位置に、外の景色を見る側の面(正面としましょう)に、分度器で45度の角度を測って印をつけ、四角い窓(縦4cm×横4cm程度)を切り抜きます。

窓の内側、筒の中の対角の位置に、ミラーシートを45度の角度で差し込みます。鏡の反射面が下(筒の内部)を向くように角度を合わせ、筒の内側の壁にセロハンテープでしっかり固定します。

手順3:下部の窓と鏡を取り付ける

筒の下端から3cmほどの位置に、手順2で窓を開けた面とは反対側の面(のぞく側の面)に、同じく45度の角度で窓を切り抜きます。

上部の鏡と平行になるように、下部にもミラーシートを45度で取り付けます。反射面は上(筒の内部、上部の鏡がある方向)を向くようにします。上下の鏡が向かい合わせの「Z字」の配置になっているか、筒の側面から透かして確認しましょう。

手順4:仕上げ

筒の内部に外から光が入りすぎると景色が見づらくなるため、鏡と窓以外の部分は黒い画用紙を貼って余分な光を遮ると、見え方がくっきりします。外側は好みで色紙やマスキングテープを貼って装飾しましょう。

発展研究:鏡の条件を変えて見え方を比べる

潜望鏡が完成したら、条件を変えながら見え方の違いを観察し、なぜそうなるのかを考察しましょう。

実験1:鏡の角度をずらしたときの見え方

鏡の角度を45度から40度、50度とわずかにずらして取り付け直し、景色がどのようにずれて見えるか、あるいはまったく見えなくなるかを観察します。角度が反射の法則どおりに正確でないと、光が正しい向きに進まないことを確認できます。

実験2:鏡の代わりに黒い紙を使う対照実験

同じ形の筒を使い、鏡の位置に反射しない黒い紙を貼ったものを用意して比較します。景色が見えないことを確認することで、「鏡の反射」そのものが装置に必要不可欠な要素であることを対照実験として示せます。

実験3:筒の長さによる見え方の違い

筒の長さを短いもの(1本分、約17cm)と長いもの(2本分、約35cm)で作り、見える範囲の広さや、どのくらいの高さの障害物の向こうまで見えるかを比較します。

実験4:鏡のサイズによる視野の広さ

鏡のサイズを小さくしたもの(3cm角)と大きくしたもの(6cm角)で作り比べ、見える範囲(視野角)がどう変わるかを比較します。

レポートのまとめ方

研究の動機と目的の例

「鏡を使っているのに景色が反転しない理由を知りたかった」「潜望鏡の見える範囲を広げるにはどうしたらいいか調べたかった」など、疑問を明確にしましょう。

予想の例

「鏡が2枚あるから、1枚の鏡の反転が打ち消されて正しい向きに見えるのだと思う」「鏡が大きいほど見える範囲が広がると予想する」など、理由つきで書きます。

結果と考察の例

「鏡の角度を45度から10度ずらすと、景色が視野の外にずれてしまい、正面が見えなくなった。これは入射角と反射角が等しいという反射の法則により、鏡の角度が変わると反射光の進む向きも変わってしまうためだと考えられる。」のように、実験結果を反射の法則と結びつけて説明すると、考察の質が上がります。

黒い紙を使った対照実験の結果もあわせて書き、「鏡がなければ光が反射せず、まったく景色が見えないことから、潜望鏡の機能は鏡の反射によって成り立っていることが確認できた」のようにまとめましょう。

作り方のコツと注意点

45度の角度がずれると、光が正しく筒の中を進まず、景色が見えにくくなったり視野が偏ったりします。分度器を使い、できるだけ正確に角度を測ることが完成度を左右します。

上下の鏡が平行になっていないと、景色がゆがんで見えたり、二重に見えたりします。筒の側面から鏡の傾きを確認しながら微調整しましょう。

ミラーシートは表面に傷がつくと像がぼやけるため、保護フィルムは組み立ての直前にはがし、指紋がつかないよう端を持って作業しましょう。

まとめ

潜望鏡は、反射の法則にしたがう2枚の鏡を使って光の進む向きを変える、シンプルながら光学の基本が詰まった工作です。鏡の角度やサイズ、筒の長さを変えた比較実験や、鏡を使わない対照実験を通じて、「なぜ景色が反転せずに正しく見えるのか」を自分の手と目で確かめられる自由研究になります。

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